FC2ブログ
The Art Notes to the Swan of Tuonela トゥオネラの白鳥に捧ぐ鑑賞ノート
死の國トゥオネラには 黒い水が流れる川がめぐり その水辺を白鳥が 荘厳にゆっくりと進んでいる
DATE: 2009/11/06(金)   CATEGORY: 音楽
フィリップ・ジャルスキー
備忘録。(あとからきちんとまとめる)

麗しのカウンターテナー、ジャルスキーさんの公演に行ってきました。3日芸術劇場にて、フジコ・ヘミングさんとの謎のカップリング、そして5日王子ホールにて。

とりあえず、わかったこと。

人間じゃない。

妖精が人間に変身しているのだけれど、人間になりきれていないところが愛らしい。(妖精だということが、ばれている)

もっと、妖精度の高い、繊細なピアニッシモを堪能できる曲を拝聴したかった。CDに収録されていないレイナルド・アーン《牢獄より》を聴けたのはとてもラッキーだったけれども・・・ピアノが。。。

歌声が人間の感性では堪能しきれないほど素晴らしかったのは言うまでもないけれど、ひとつの舞台の完成度としてはいまひとつだった。

嗚呼、いつか、極限までベル・エポックを追求したムードで、アーンを中心にした仏蘭西歌曲の夕べなるものを体験してみたいわ!(いまは寄宿舎の蓄音機にて仏蘭西歌曲の夕べをちひさく実行中・・・)
スポンサーサイト



DATE: 2008/11/12(水)   CATEGORY: 音楽
好きな女性歌手《ナンシー・シナトラ》
特にこの曲は最高です。

DATE: 2008/11/10(月)   CATEGORY: 音楽
好きな女性歌手《フランス・ギャル》
日本語でも歌っていたんですね。





仏蘭西語。





貴重なデュエット、素敵です。
→アニーとボンボン


フレンチポップスは大好きで昔良く聴いていましたが、最近また奥からいろいろ引っぱり出して聴いています。キュートです。
DATE: 2008/05/13(火)   CATEGORY: 音楽
美しさは、その関係ぬきには語れない
サー・ピーター・ピアーズは最も好きなテノール歌手です。
ブリテン伴奏によるシューベルト『美しき水車小屋の娘』の貴重な映像が
YouTubeにありました。

生涯に渡るお二人の関係ぬきに、この孤高の美は存在しえなかったと思います。



シューベルト『美しき水車小屋の娘』より「知りたがり」




→Britten-Pears Foundation
DATE: 2007/11/03(土)   CATEGORY: 音楽
アレクサンドル・タロー氏のショパン
アレクサンドル・タロー氏のリサイタルに行ってきました。銀座王子ホールにて、嵐の夜。プログラムはフランス・バロック、フランソワ・クープランとジャン=フィリップ・ラモーです。

【プログラム】

フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集より
 ロジヴィエール(第5組曲-1)
 信心女たち(第19組曲-2)
 葦(第13組曲-2)
 プラチナ色の髪のミューズ(第19組曲-6)
 神秘的なバリケード(第6組曲-5)
 奇術(第22組曲-7)
 双生児(第12組曲-1)
 パッサカリア(第8組曲-8)
 さまよう亡霊たち(第25組曲-5)
 「凱旋」より 戦いの響き (第10組曲-1-i)
 シテール島の鐘 (第14組曲-7)
 ティク-トク-ショック、またはオリーヴしぼり機 (第18組曲-6)

ジャン=フィリップ・ラモー
 :新クラヴサン組曲 ト調 (クラヴサン曲集 第2集 第5組曲) より
  レ・トリコテ ~ メヌエット ~ レ・トリオレ ~ 未開人
 :新クラヴサン組曲 イ調 (クラヴサン曲集 第2集 第4組曲)
  アルマンド~クーラント~サラバンド~三本の手~ファンファリネット
   ~意気揚々~ガヴォットと6つの変奏

こちらのホールは内装が慎ましく品格があるものの、音の響きはいまひとつ、CDで聴いていたような繊細さはあまり感じられませんでした(ハルモニア・ムンディからでている『tic, toc,choc』は絶品です)。一音一音が粒として立ち上がっているのに、粒が途中で留まってこちらまで届かない、という風情。そのせいで硬く感じられる音色は、演奏やピアノのせいではないように思いました、素人なので詳しいことはわかりませんが。

しかし、そのようなマイナス面を差し引いても、ピアニッシモの震えはこの世のものとは思えない珠玉、1曲1曲の肌理の多彩も、霧の中を歩きながらふいにいろんな風景が現れてくるような不思議がありました。クープランよりもラモーのご演奏の方が感動が深かったです、まるで修道士のような禁欲的なムード。

ホール内はクラシック音楽のコンサートとは思えない程の暗さ、これは二度目の体験です。一度目はこちらもフランスのピアニスト、パスカル・ロジェさんの時。そんな神経質な内省を持つ人を好みます・・・

思いがけない収穫は、ショパン。アンコールでワルツ集から19番と子犬のワルツを。会場内でワルツ集を購入していたので、家路が楽しみでした。

ショパンという作曲家はいろいろな場所で聞き慣れているだけに、ピアニストの美意識がもっともわかりやすいかたちであらわれるように思います。いかにも甘ったるいのは品がないし、女流にありがちな荒い演奏も苦手、午後のひととき、というローカルな仮面はもっと苦手です。

そのタロー氏のショパンですが・・・ひとくちに「繊細」、と言ってしまうにはあまりにも多くを取りこぼしてしまう音色。殊に19番や3番、10番の静けさ。森深く、夜露が降りた葉々が、月光に照らされてひんやりと光っているような、沈静的なワルツ集です。聴衆が存在しない、孤独のワルツ集、夜露の中にたったひとり。

普段聴いている往年のピアニストの演奏と比べるとかなりモダーンですが、それが真実に思えるのはきっと、夜露を思わせる音色のせい。過去の記憶を含んだ夜露の妖しさ・清冽・静寂がこころを素直に揺さぶるのだと思います。洗練が、知性ではなく天性と結びついているところも衝撃のひとつ。知性を通過しない洗練は、奇跡です。エスプリというよりも、もっと純真な何か。

というわけで、毎夜、聴いています。



クープランのピアノ演奏は、モニク・アース女史のものが殊に好きです。蓄音機にて「オリーヴしぼり機」と「神秘的なバリケード」を日々堪能しています。


DATE: 2007/10/29(月)   CATEGORY: 音楽
追記:グレン・グールド《オリジナル・ジャケット・コレクション全集》
noise.jpg
ノイズが混入しているディスク

★要チェック★
《オリジナル・ジャケット・コレクション全集》のディスクの1枚に、
ノイズが混入している箇所がありました。
発売元で交換対応していますが、締切が2008年2月末日です。
お買い求めの方はどうぞお早めに!

→前にアップした記事はこっち

→発売元による交換の詳細はこっち
DATE: 2007/10/05(金)   CATEGORY: 音楽
グレン・グールド《オリジナル・ジャケット・コレクション全集》
GG.jpg
あっちにもこっちにもグールド

秋が深まりつつあるころ・・・予約していたグールドの素晴らしき全集が届きました!(当時のCOLUMBIAで発売されたLPアルバムのみの全集)LPジャケットがそのまま、紙ジャケットで再現されています・・・美しいわ!

→グレン・グールド《オリジナル・ジャケット・コレクション全集》

guld-piano.jpg
箱を開けると、ピアノの鍵盤が刷られたカードがあらわれます

guld-openp.jpg
カードの下に、ぎっしり80枚のCDが!

guld-all.jpg
きれいなジャケットばかりです

Guld-up.jpg
LPと今回のCD盤、並ぶと父子のようです・・・息子よ!

バッハと愛犬とともに、孤高に生きたグールド。
作品と私生活両方に揺るぎない美意識を持った、希有な御方・・・
ボイジャーに搭載された彼のバッハ、宇宙人がどこかで聴いているかしら?

→★要チェック★
DATE: 2007/08/25(土)   CATEGORY: 音楽
ディヌ・リパッティ
chene_bourg024.jpg

夭逝したルーマニアのピアニスト、ディヌ・リパッティのショパン《ワルツ集》をSP盤で入手(英国コロンビアの原盤)。これまでずっとLPで聴いてきましたが、どうやら同じ音源のようです。リパッティが活躍した40年代はちょうどSPからLPへの移行期だったため、両方残っているもよう(LPからCDへの移行期に、両方のメディアで発売されたのと同じですね)。



梅雨入りのころ・・・20年代英国製の蓄音機を衝動買いした。

音色もさることながら、何よりも惹かれたのがその佇まい。死の憂愁香る、柩のような風貌なのでございます。しかも、ホーン(スピーカー)部分のバーズ・アイ・メープルの扉をあけると、品のあるつややかな多彩色の絹糸タッセルがカーテンのように下がって居るではありませんか! (以前つくった、リボン・カーテンの作品のように、です! →こちらを) 

今のスピーカーもそうですが、スピーカーの正面には通常、布(かなにかの)メッシュが一枚渡っていますよね? 量産品の蓄音機も同じなのですが、今回購入した蓄音機は、その部分が一枚もののメッシュではなく、絹糸のタッセルがカーテン状にさがっている仕様だったのです・・・嗚呼、麗しき創意工夫よ!

どこぞの紳士が当時特注したこの蓄音機には、それ以外にもターンテーブルにシノワな雲模様が染め抜いてあったり、サウンドボックス(レコードプレイヤーでいえばカートリッジ部)の振動板にもシノワな鳥が描かれていたりと、悪趣味ギリギリの、イカした彼の紳士の美意識炸裂。これを目の当たりにして、何事もなかったかのように暮らせるわけがありません。速攻、購入しました。

音色は、とにもかくにも繊細! 殊に、女性の歌曲とピアノ曲がメランコリックに響きます。死が、甦る・・・という表現が、個人的には一番しっくりきます。いままでレコード盤に封印されていた歌声が、100年の眠りから覚めるオーロラ姫のように、静かにふっと、息をしだす・・・デジーレ王子が接吻するように針が盤に接吻し、その歌声、音色は甦るのです。甦った音色は霧雨のようにひんやりと聴く者の肌をとらえ、涙が乾いた後のような痕跡をこころに残してゆきます。

いまのオーディオの響きとは全く別物だし、生演奏とも違う・・・この不思議はいったい、なんだろう? 音色の面では、オーディオの進化の系譜には連ならない、まったくもって孤立した存在です。蓄音機→真空管→現代のオーディオ、とはどうしても思えません。やはり、死の眠る麗しき柩なのだと思います。



lipatti-portrait.jpg
Dinu Lipatti

そのリパッティですが、蓄音機で聴く彼のショパンは、モーレツなまでに格別です。折り目正しく清廉なせせらぎのような詩情・・・透明感と詩情の豊かさは師であるコルトーに似ていますが、コルトーよりも青葉の匂いがします。どこまでも玲瓏な音色からは、指先の青白さが感じられます。白と黒の鍵盤にたましいそのものが触れてゆく痛々しさ、それを青白い指先が擦過しつつ治癒してゆくような、傷を知るゆえの玲瓏です。優しい響きでありながら一音一音が狂おしいまでに胸を打つのは、美しさとともにそんな翳りを感じてしまうせいかもしれません。

そしてもう一枚、作曲を師事したナディア・ブーランジェとのピアノ二重奏も入手(こちらは残念ながら日本ビクターのプレスですが)。ブラームスのワルツ集で、最初期の録音です。ショパンのノクターンも店頭にあったのですが、戦時中、物資の不足しているころの日本プレス盤のため一度はあきらめたものの、やはり聴きたくなり、結局次の日買い求めました。買って良かった、どこまでも青白いノクターンです。



ところで・・・
蓄音機は、78回転のSP盤しか聴けません(知らなかった・・・)。片面約4分程度の録音、コンチェルトやシンフォニーは数枚に分かれています。片面聴くごとに針を変えなければいけません。鉄針以外に、竹針やサボテンの針もあります。・・・ええ、1曲数百円でダウンロードできるこの時世にあって、かなり手のかかる存在です。そんな偏屈なところも愛すべき魅力に転換、だって、蓄音機の音色には、何よりも美を求める者にとって一生をかける価値があるのですもの・・・お安いご用でございます、ご主人様。
DATE: 2007/06/11(月)   CATEGORY: 音楽
イアン・ボストリッジ《冬の旅》
夏の足音を余所に、冬にまつわる話題。



薄明かりの舞台、

やさしい指先でこごえる孤独を紡ぐピアノ、

その横に、

うつむき加減の内省的な青年がひとり……

歩みを少しすすめてはまた、

引き返す、

まるで、過去から踏み出すことを

おそれているかのように……



昨秋、オペラシティ・タケミツメモリアルにて、
イアン・ボストリッジさんのリサイタルを拝聴しました。
殊にクラシックの歌曲に関しては、
内側に、つややかな玲瓏を持つ人を好みます。
ですので、イタリア・オペラやイタリア系のテノール歌手は少々苦手。
(こちら側へ、向かってくる感じが苦手です、あと、叫びも。)
ドイツ・オペラ、ドイツ・リート、フランス歌曲を優雅に歌う方を愛しています。

当日の曲目は、シューベルト《冬の旅》と
ブリテン《冬の言葉》。
嗚呼、この時点で既に、ボストリッジさんの美学にひれ伏してしまいます。

《冬の旅》は、フィッシャー=ディースカウ氏の精緻なバリトンに
長く親しんでまいりました。
(フィッシャー=ディースカウ氏《冬の旅》LPレコードは
 黒の箱入り、中のライナーは黒紐で綴じられています!)

ボストリッジさんはテノールゆえ、より青年風の清々しさがあります。
しかし、印象がさわやかな仕上がりかというと、そうではなく、
その奥にくぐもる氷のような孤独が、
かえって胸に沁みるのです。

歌っている最中は、うつむいたままだったり、歩き回ったり、
ピアノにもたれたり・・・
しかし、お声は2階席までつややかにくもりなく届いてきます。
そう、歌のリサイタルというよりも、小部屋の片隅に居る青年の、
或る日の姿に思いがけず出会ってしまったような感覚です。
やさしい密室感とでも申しましょうか、不思議な安堵を覚える歌声でもありますが、
鬱々とした青年の吐息が肩をふいにかすめてゆく深淵もあります。

思索的な雰囲気が誠実さとして現れ、
現代的な、垢抜けのした印象も随所に感じられました。



知的という意味では、ピーター・ピアーズ氏のドイツ・リートに通じる部分もあります。
エレナ・ゲルハルト女史に学んだというピアーズ氏のリートは、
実はまだ《美しき水車屋の娘》しか聴いたことがございません。
ブリテン伴奏のそれは、ピアノと声の結晶というべき珠玉で、
公私ともにパートナーだったお二人の閉じられた世界を垣間見るのに十分です。
こちらが触れた途端、閉じられた世界はまたたく間に崩壊してしまうような儚さが
みずみずしい歌声の最後の一息から感じられます。

嗚呼、お二人の《冬の旅》は、どんなすばらしさなのでしょう!
気長に、LPレコードを探す以外に方法はありません。
(CDを取り寄せていますが、なかなか届きません)

ドイツ・リートは、男性の歌声も女性の歌声も好きなものがありますが、
殊フランス歌曲に関しては、圧倒的に女性の歌声が好きです。
男性が歌うと、土地の匂いがまざった、あっさりとした流行歌のように
聞こえてしまう場合が多いのですが・・・
まだ、好みの歌声に出会っていないせいかもしれません。

単なる好みと私見ですが・・・
女性による歌曲は、圧倒的に、SPレコードが美しい!
一度この薔薇色を体験してしまうと、ほかが色あせて感じられます。
この麗しさは、人生を懸ける価値があります。
まだ見ぬ宝石を一粒一粒集めるように、キャスケットの用意だけはしておきましょう。
(SP時代の録音のリマスタリングをCDで聴くことはあまりおすすめできません。
 がっかりすることや真の魅力を発見できないことが多々あります。)

男性による歌曲は、LPレコードでもCDでも十分堪能できます(今のところ)。

ボーイ・ソプラノは、CDが一番かもしれません。
以前SPレコードで体験しましたが、少年の儚さがはかなくしおれているようでした。
ノイズの一切を抜き去って、天使だけを抽出したい。

グレゴリオ聖歌のSPレコードは震えますが、
LPレコードでもCDでも、その静謐は失われません。
LPレコードで、ソレーム修道院の全集を現在蒐集中です。


DATE: 2007/05/14(月)   CATEGORY: 音楽
自動ピアノ
自動ピアノ、というと、
いままであまり良いイメージがありませんでした。
なんと申しましょうか・・・
存在意義が中途半端というか、トンチっぽいというか・・・

しかし、そうではないことが判明。

19世紀、室内で音楽を楽しむ装置として、
贅を尽くしたオルゴールが人々のこころを潤した後、
蓄音機の時代にはいります。
当初の蓄音機は音質の面で優れていなかったため、
ピアニストはレコードよりも
自動ピアノに自身の演奏を残すことを選んだそうです。

当時の技術を駆使して、
ピアニスト特有の微妙なタッチや強弱を再現。
完成した自動ピアノの演奏をピアニスト本人が聴き、
演奏を記録したマスターロール(穿孔紙)に
承認のサインを書き込んだといいます。



護国寺にある「オルゴールの小さな博物館」にて
紅茶を頂きながら、
ガーシュインの自動ピアノ演奏を聴きました。

嗚呼それは、まさに死の匂いのする風景・・・
ガーシュインの姿のないままに、
鍵盤だけが音を紡いでゆくのです。
なんという不思議な光景でしょう・・・

美しきスタインウエイのピアノの鍵盤に、
ガーシュインの亡霊が優雅に舞い降り、
鍵盤との逢瀬に酔いしれているような・・・
ピアニストを恋い慕う鍵盤の嘆きが、
真珠の涙を紡いでいるような・・・
悲恋の一幕劇のごとく、
とても胸を打つ光景でございました。

演奏が終わり、ピアノはまるで棺のように、
静かな眠りにつきました・・・



蓄音機が性能を高めてゆく1930年代、
自動ピアノは歴史に幕を下ろします。
そしてオルゴールも、人々の生活から消えてゆくのです・・・
Copyright © The Art Notes to the Swan of Tuonela トゥオネラの白鳥に捧ぐ鑑賞ノート. all rights reserved. template by レトロメカニカ. FC2BLOG page top