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The Art Notes to the Swan of Tuonela トゥオネラの白鳥に捧ぐ鑑賞ノート
死の國トゥオネラには 黒い水が流れる川がめぐり その水辺を白鳥が 荘厳にゆっくりと進んでいる
DATE: 2010/02/22(月)   CATEGORY: 孤高倶楽部
Dr. Hannibal Lecter
女学生のころから度々、お気に入りの曲を集めてはテープ(隠していないが世代がばれますね)に録音、カセットレーベルも可愛く手作りして、腹心の友たちと交換していました。当時から全編に流れるムードは小暗く、「暗すぎて浮かび上がれないわよ~」と言われたこともしばしば。お互いの共通点だけでなく知らなかった一面を発見したりと、ささやかながらも麗しき物々交換・・・

今のように情報がすぐにたくさん手に入る時代ではなかったので、みなそれぞれが、ジャケット買いして失敗するなどの辛酸を味わいながら、ようやく発掘した美しき音楽の数々・・・一曲一曲を本当に大切に聴いていました。

音楽をめぐる記憶の風景は、いまここの現実に被膜のように重なっています。あの曲はあの部屋で、あの曲はあの人から・・・と、懐かしい光景が匂い立つようによみがえります。


というわけで、いまだにそんな遊びをやめられない関係で、ちょっと出過ぎた贈り物かしら?と躊躇しつつも、大切な方には音楽の贈り物をしたくなります。


灰の水曜日、せどり男爵・平野雅彦氏にお送りした選曲集・・・今回も全編小暗いセレクションになってしまったのですが、光栄にもご自身のサイトにアップしてくださいました♪ 大好きなハンマースホイの絵画と、レクター博士ゆかりの謎めく絵を添えて。(&レクター博士御用達のサンタ・マリア・ノヴェッラのアーモンド・ソープも同封してみた♪)

→平野雅彦氏《脳内探訪》の中の記事です。

ありがとうございました!
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DATE: 2009/12/25(金)   CATEGORY: 孤高倶楽部
迷子になったクレイジーブーツ
Wish you have a Merry Christmas



Boot_Xmas.jpg

クレイジーキルトの手法で、クリスマスブーツを作ってみました。T女史が勤めるこども病院図書室への贈り物として。写真でもクレイジー感が若干おわかり頂けるかもしれませんが、実物はほんと、クレイジー! 妙な存在感あります。こども達が怖がらずに気に入ってくれると良いのですが・・・

(幼少のころ、補色の配色や妙なバランス感覚の飾りとか好きだったので、その時の感性を必死で思い出し制作してみましたが・・・おのれの子供時代は遥か昔、もしかしたら感性古いかも?と送った後にはっと赤面・・・)


クレイジーキルトですが、これまで培ってきた感性をいったんは捨てることからはじめなくてはなりません。モダニズムはいっさい不可。繊細とか、シックとか、美しい構成とか、理想の美意識にしがみついていてはまったくクレイジー感がでません(クレイジーの意味をはき違えているかも?)。ステッチの幅を大きくすることも最初は勇気が入りました。スパングルやビーズ類、レースやトリムやリボンやアンティークの釦・・・これでもか、というぐらいギッシリと。

あれこれ、いろんな技法を使っています・・・例えば、

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赤紫の糸で“閉鎖型ボタンホールステッチ”を一列、その上に黄緑色の糸、“レージーデージー”“ストレートステッチ”で茎と葉を、花部分は金糸の“フレンチノット”。ステッチが大雑把にみえることもクレイジーなムードを出すにあたり重要らしいのですが、それはあくまでも上手な人がするところの大雑把。今回は正真正銘の大雑把に。。。


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ブーツの底部分は、“ボタンホールステッチ”でリボンや端布を留めたりスパングルやレースを縫いつけた後、その上からオーガンジーをかぶせ、さらにビースやスパングルで縫い留めました。霧がかっているみたいに奥行きがでて効果的! と思いたい。

タッセルは人生におけるマストアイテムなので、いったん作り始めたら止まらなくなり、蓄音機の引き出しや本の栞、いま開催中の森馨さんの個展内・書籍販促ツールの額などにぶら下がっています・・・





話とんで今朝の話。

電話が鳴りました。

受話器のむこうは郵便局の人で、「静岡」に今日午前中に到着するはずだった荷物(クレイジーブーツとお菓子)が誤って「盛岡」に行っちゃった、とのこと! えー「岡」しか合ってないじゃない。。。と、とてもショックを受ける一方で、ある意味、クレイジーブーツの本領発揮? とも。

クリスマスに間に合うよう、母さん風に夜なべしたのに。。。と落ち込んでいる心中を伝えると・・・「今から新幹線に乗って届けます!」と。

迷子になったクレイジークリスマスブーツ。夕方無事、こども病院に届いたそうです! なんだか、クリスマスの御伽話っぽいエピソードじゃありませんこと? 郵便屋さん、がんばってくれてありがとう。



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T女史がさっそく届けてくれた写真。
以前送ったモペットの指人形も一緒。気が合いそうだわ・・・
DATE: 2009/12/24(木)   CATEGORY: 孤高倶楽部
カールの指紋
カールファンはいますぐCHANEL GINZAへ!

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5周年を記念して、カール・ラガーフェルドによるオートクチュールコレクションが展示されています!!! 27日まで。
→CHANEL GINZA 5th Anniversary

感動、という一言では言い尽くせません。カールの天才が凝縮された美しすぎるデッサンを読み解いて、立体的な衣服を誕生させる職人さんたち・・・ひと針ひと針にたましいが宿っています。ひとの手を経た美というものがとてつもないステージにたどり着いている奇跡が其処に。

カールの指紋が其処此処に。そう考えると歓喜で震えてしまう。ルネヴィル刺繍も其処此処に、ぎっしり。ますます刺繍に邁進しそうだわ。そういえば、ウェディングドレスの刺繍を手がけていたルサージュのお針子さん、糸のかわりに髪の毛を編み込むと結婚できるだか幸せになれるとかで、ご自身の金髪を一本、糸代わりにしていた・・・きっと一緒に来日していますね。


帰り道、幸福に満ち満ちている自分の内実をふと覗いてみた。

その一。アート作品ではなくあくまでも売買が前提の商品が、あれほどの美を保ったまま世に出てくるという奇跡への感動。大きな組織のひとりひとりがそれぞれの領域で、毅然と、最大限の努力をしているに違いないわ。ひとりでも怠惰であったり冒険を恐れたりしていたら絶対にあの種の美は世にでないと思う。決断を下す人もとてつもない勇気と美意識の持ち主。それを支える(購入する)人々にも敬意をはらいたいわ。

その二。レベルが違いすぎて可笑しくもあるけれど、「日々、ささやかであっても美を作りだしたい」という欲望がカールの衣服にふれるたびにこころに満ち満ちる。この高揚感に満ちている時ほど幸せな瞬間はない。こころが薔薇色になるってこのことなんだと思う。日々気鬱な性分なので、この薔薇色の瞬間をその都度ちいさな胸に刻印しよう。

発注されるデザイン仕事は個人的な作品制作とは違い、デザイナー自身に最終決定権はない。そして決定権のある人が必ずしも美意識が高い人ばかりとは限らない。とんでもなく安易な理由や美とは無関係の意味不明の感情論とかで強制的に変更させられたりとか、商品の幸福とは無関係に流通してゆく場面も少なくない。

幸運にもインテリジェンスあふれる方々とばかり仕事をさせて頂いているのでそのような不幸はほとんどないのだけれど、ごくまれに、数年に1度ぐらい、不幸な書物をなくなく世に出してしまうこともある・・・。人はいつか死んでしまうけれど、書物はいつまでも何処かに在り続ける・・・何よりも書物の幸福を第一に考えたい者にとっては、身が引き裂かれる瞬間である。

いつ、どんな時も、毅然と、気高く、美に誠実でありたいわ、そのせいでたったひとりきりになったとしても(あ、腹心の友はどんな時もともに気高くあってくれるのでふたりきりかな)。カールの衣服にふれるたび、日々自信なさすぎのおのれの中に、こんな具合に薔薇色の気高さがわきあがってくる。



要するに、結論。カールの指紋は幸せの源泉です。





ところで・・・デッサンをいっさい描かないエディって、何者?


DATE: 2009/12/11(金)   CATEGORY: 孤高倶楽部
Twitter
霧とリボンに日々こころを傾けるべく、
Twitterをはじめました。
これで少しは放置状態が緩和されるかしら・・・?(永遠の課題)

右の小窓のリボンマークか「MistressNoohl」をクリックすると
ひとりごとをご覧いただけます・・・

(つぶろぐとの棲み分けは? ・・・私にもわかりません。)

どうぞよろしくお願いいたします♪
DATE: 2009/12/04(金)   CATEGORY: 孤高倶楽部
クロッシェ・ド・ルネヴィル
あっちにも書いたのですが、ルネヴィル刺繍をはじめました。

始めて数時間は作業する手さばきがちぐはぐでまったくうまくいかず、基本のチェーンステッチでオーガンジーと大格闘、繊細な生地に美とは無縁のちいさな穴があきまくって激しく落ち込みました。どうしても鉤針が生地にひっかかってしまうのです。一通り刺したオーガンジーはまるで冬枯れの野原のよう・・・旅に病んで夢は枯野をかけ廻る、なんてお仏蘭西とは無縁の句がよぎったりして。

そうして日を改め、練習する間もなく第二段階、チェーンステッチでビーズを一粒ずつ留めてゆく作業に突入。あーあ、今日も枯野をかけ廻っちゃうのかなーとため息まじりではじめること数針・・・なんと、魔法のようにすいすいといくではありませんか!(ま、ちょっと大げさな言い方ですが、それほど劇的だったのです) 

理由は簡単でした。

『サイン・シャネル』で、ルサージュのお針子さんたちがルネヴィル刺繍をしているのですが、生地の下からビーズやスパングルをひとつずつ送り出しながら鉤針で留めていく様子はかなり独特です。そのイメージが脳内に強烈にあって、いままさにビーズを一粒送り出そうとした瞬間、降霊術師のごとくお針子さんの手元の映像が自分の身体に降りてきて我が手元にフィット。これこれ、こんな風にやっていたわ!と、十本の指がたどたどしくもハーモニーを奏ではじめたのですよ! やっぱ、職人仕事は手さばきも美しいものですよね。その美のイメージが作業を助けてくれました。お陰で枯野には春の訪れ。次回はスパングルをがんばります♪

バレエやダンスの舞台を観ている時も時折似たような体験をします。最高に洗練された美しい動きって流れるように自然でまったく作為がなく、そんな時、自分が舞台上のダンサーその人になって踊っているような錯覚を起こします。こちらは残念ながら踊れるようになるわけではないのですが、身体の中に記憶としてその感触が在り続けます。

クラシックバレエの記憶は、身体が果敢に空間(状況)に出て行く感触なのですが、勅使川原さんや宮田佳さんのダンスの記憶は正反対。まわりの空間(状況)をそのまま素直に受け入れてみようという感触。実はこの感覚にとある過酷な状況下でとてつもなく救われた経験があります。おこがましい言い方ですが、勅使川原さんと宮田佳さんのダンスの本質にほんの少しだけ触れたような気が致しました。

(やっぱり、芸術と医学って、源泉を辿ると同じひとつの泉に行き着くのだわ。。。)





教会刺繍に興味があるので同時に英国刺繍もやっています。先日はチャーチワークとも呼ばれるゴールドワークでハチを刺しました♪ 以前、テレビでコッツウォルズを特集していて、気のよさそうなおじさんの養蜂場でハチがぶんぶん飛んでいたのですが、嗚呼、英国人になれないのであればせめてコッツウォルズのハチになりたいわ・・・と黄昏れたことを思い出しながら来世の己の姿をひと針ひと針。

もっかの課題は、祈祷書の装丁を英国刺繍で仕上げること。エリザベス女王(一世)の祈祷書の装丁は、臙脂のベルベットに純銀を厚く巻いた絹糸で凝った刺繍が施されています。純銀は無理でもその図案を再現してみたいです♪

いつか、王立刺繍学校に行きたい。なんたってヘンリー八世ゆかりのハンプトン・コート宮殿内にあるんですよ、学校がっ。城にいながらにして刺繍も学べるなんて・・・大英帝国万歳するしかないですね。
DATE: 2009/01/06(火)   CATEGORY: 孤高倶楽部
2009
thomas gray


  さわやかな西風は、喜びをささやきながら
  すき通った青空をそよそよと吹き
  集めて来た花の香をふりまく

.    ....トマス・グレイ「春のうた」より (福原麟太郎訳)



The_hours.jpg


Season's Greetings and Best Wishes.

旧年中は大変お世話になりました
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
DATE: 2008/12/27(土)   CATEGORY: 孤高倶楽部
備忘録
ブログに今後アップすべき記事。
.....主に、2008年秋以降に鑑賞した芸術作品より。


★勅使川原三郎さん・宮田佳さん・佐藤利穂子さん《Here to Here》
 .....真白き空間に在り続ける舞踊手の孤独について
 .....真白き空間に黒い染みのように現れた、ゴシックな舞踊手の祈りについて
 .....躍ることの誠実について

★小出領子さんとマラーホフさんの《ジゼル》
 .....小出領子さんの音楽性あふれた危うい少女性について

★イアン・ボストリッジ氏 リサイタル
 .....孤独の小部屋の壁面の肌理を思わせるささやきについて
 .....ぶっ飛ぶ程に美しかったベルリオーズ《夏の夜》について
 .....ゴーティエの死の感触について

★ボリショイ・バレエ団《白鳥の湖》
 .....グリゴローヴィチ版に思うこと
 .....ザハロワさんの白磁の肌に現れる禍々しさについて

★ボリショイ・バレエ団《明るい小川》
 .....ラトマンスキー氏の復元について
 .....マリーヤさんの麗しさと男装について
 .....フィーリン氏のバレエ団での最後の公演

★ヴィルヘルム・ハンマースホイ展《静かなる詩情》
 .....追憶、痕跡、人の居た跡の情趣、死都ブリュージュについて

★リンゼイ・ケンプ・カンパニー《エリザベス1世》
 .....精神の鎧であるようなサンディ・パウエル女史の衣装について
 .....風に揺れるシフォンにまとわりつく孤独について

★映画《ブーリン家の姉妹》
 .....ナタリー・ポートマンに感じた違和感について
 .....サンディ・パウエル女史のホルバインそのものである衣装について

★ジョットとその遺産展
 .....携帯用の祭壇画がデカい! 

★ナザレ修女会のアドベントの黙想会について
 .....沈黙の美しさについて

★シャネル・フレグランス展
 .....「ロシア皇帝の親衛隊たちの 
   白樺の樹脂でなめした革の 
   ブーツの香りの痕跡」を嗅ぐ機会があることについて

★浅野勝美さんの銅版画と鉛筆画
 .....少年と少女のあわい、美の極北への到達
 .....確かな技術に支えられた堅牢で繊細な美意識

★山下陽子さんの銅版画とオブジェ
 .....エミリ・ディキンソンのような静謐で誠実な白磁の指先について
 .....胸が締め付けられるほどに美しい孤高をやさしく持つ人

★熊谷蘭冶嬢《嘆きの天使》
 .....芸術の素養に裏打ちされた希有な才能について
 .....美は極限に存在する

★四釜裕子女史(『gui』同人)
 .....北園克衛の香りをさせながらタモリ倶楽部に出演した人
 .....全て、どんな細部にも五月の風が吹く素敵詩人

★西松布咏さん《ニュアンスの会》
 .....凛々しさと可憐、伝統と前衛を併せ持つ粋な邦楽家
 .....DVD『儚』について(私どもHOLONも参加)

★静岡在住、医学司書T女史
 .....医療と美意識について
 .....いのちの現場に日々携わる人々がもたらす《偶然》について
 .....精神の貴婦人

★静岡在住、平野雅彦氏
 .....やっぱり、魔法使い!
 .....同じ24時間を生きているとは思えない、きっと、
  時間に鋏を入れて、一日100時間ぐらいにしているのだと思う。
 .....その後、山羊は購入したかどうか?
 .....庭の亀の動向と黒ぱんぺん
DATE: 2007/11/17(土)   CATEGORY: 孤高倶楽部
ノーブレスの一瞬
夕暮れ。

美容室の予約に遅れそうだったので、銀座の雑踏を足早に歩いていた。
11月ももう半ばだというのに、それほど寒くはない。
伊東屋を通り過ぎ、松屋前の横断歩道で信号待ちをしていた。

・・・と、まわりの雑踏から、ただならぬ気配がひとつ、
むこうがわに浮かんでいる。
とはいっても、華々しくなにかを感じたわけではない。
ひっそりと底光りしているような、他とは違う時間を生きているような、
光を内側にかかえた白蝶貝が海底に深々と沈んでいるような、
そんな静かな気配。

視力があまり良くないせいで、少し離れた人の顔も判然としない。
なんとなく全体の輪郭がほんやりしている状況での、その気配・・・

信号が変わり、雑踏が動き始めた。
わたしは、そのただならぬ気配に釘付けになって、
(余所様をじろじろみるのは失礼と思いつつも)
その気配の正体をさぐるべく、すれ違う瞬間にちらと顔を上げてみた。

歌舞伎役者の中村吉右衛門丈だった。

すれ違う瞬間、それはたった数秒の出来事だったけれども、
閃光のような、ノーブレスとの邂逅であった。
旧家の、手入れの行き届いた調度を思わせる質感。
内部に禍々しいまでの美意識をかかえながらもそよ風の吹く清冽。
しかし、その風はどこまでも鋭い。

光ではなく、蔭だった。
何の変哲もないわたしのような人間のうちに、
ノーブレスの蔭を落としていった。


  ゆうされば 今 花々は 梢(こずえ)に揺れて
  香爐のやうに 花の香(か)が 風に薫(くん)じて、
  音と 馨(かおり)と たそがれの空に 渦巻(うづま)く。
  憂鬱なワルツよ、ものうい眩暈(くるめき)よ。

         .....「夕の諧調」ボードレール/鈴木信太郎訳より


何をお召しであったかは覚えていないけれど、
雑踏にまぎれるような地味な色合いの洋装であったことは間違いない。
目立っていたわけではない。むしろ、
目立たぬよう存在感を消していた風でもある。
とにかく、ただならぬ気配、としかいえない。

歌舞伎の舞台での、堂々とした風格とも違う。
ごく稀にテレビにご出演された時のおおらかな朗らかさとも違う。
原初の、動物の持つ鋭さと、天性の知性とが混沌と入り混じり、
それらが鋭利なほど極まったせいで透明になったような・・・
しかし、その透明も、小暗さそのものであるような憂鬱をかかえている。

ノーブレス、としか表現できない。


  「わたしたちが知っていた男たちは、礼儀作法なんて学ぶ必要もなかった。
   作法の中で育ったのだもの・・・」

         .....『シャネル 人生を語る』中公文庫より
           マルキ・ド・サド侯爵の曾孫にあたる名門貴族、
           ド・シェヴィニエ伯爵夫人の言葉。


そう、ノーブレスの中で育ったゆえのノーブレス。
学んだり、身につけたり、教えてもらったりするものではない。
それは、ご本人の預かり知らぬところで放たれている奇跡である。

嗚呼、麗しきノーブレスよ、永遠に!
DATE: 2007/10/14(日)   CATEGORY: 孤高倶楽部
友情と秋の香り・・・
千鳥ヶ淵にて、腹心の友とともにボート乗りを楽しみました。
(但し、隣り合って足で漕ぐタイプ、向かい合うボートは不可)
気分のみ、テムズ川の気鬱紳士。
人影の少ない午前中、雨曇りのこの時期は、
孤独と美と友情をテーマに生きる者にうってつけの寂寥感、
秋の日のヴィオロンのように、落葉も我らも黄昏れムードです。

追い打ちをかけるように、自転車での帰り道、
遠くからノスタルジックな旋律が。
駅前で、直立不動の男性がひとり、テルミンを奏でておりました、
餅つきの隣で、餅つく間は休憩させられて。

嗚呼、こんな日の午後には、熱い一杯の紅茶!
と、友とともに帰路を急ぐ途中、二人の視線がぶつかった先のブツを購入。
(ボート乗りのたび、お尻がいたくなるのでクッションが必要と思いつつ、
 買うチャンスを逃していたその逸品を発見せり)



友情・・・それは、何もあくせくしなくとも、
わたくし達の与り知らぬところで、何かが着々と進行している奇跡である。



家に帰ってまもなく、郵便で小包が届いた。

縁あって親しくして頂いているふるふるさんからの贈りものだった。
包みを開けるとそこには、三国屋さんの「栗の焙茶」と愛らしい紅茶道具が!
嗚呼、なんて絶妙なタイミングなのかしら!
ええ、このような小さな偶然からお伽話ははじまるのです。

アフタヌーン・ティにてさっそく頂きました!

malon-tea.jpg
レディ・カーライルの茶器に「栗の焙茶」を。
薔薇模様の紅茶道具(ティバッグの受け皿)はもったいないのでお砂糖受けに。
奥は、頂いたお手紙、いつも便箋のセレクションが可愛いのです。


そのふくいくたる秋の香りにまず酔いしれました。
甘やかでやさしく、和風でもあり洋風でもあり・・・
ストレートで頂くと、秋の豊潤がやわらかく口中に広がります。
そしてそしてお砂糖とミルクをいれると、デザートのような一杯に!
幸せ、ってこのことですね。

紅茶道具フェチなので、ポットのかたちをした薔薇模様の受け皿は
本当に嬉しいお品です。

几帳面な文字で綴られたふるふるさんからのお便りを拝見しながら、
「友情」という二文字をかみしめた秋の午後でございました。

ふるふるさん、本当にありがとうございました。
DATE: 2007/09/29(土)   CATEGORY: 孤高倶楽部
どっちにも、サドあり・・・
澁澤龍彦氏のいちファンとして、
《ドラコニア解析的な脳内メーカー》をいちおうやってみた。

→《ドラコニア解析的な脳内メーカー》

J.Shinjuro の場合・・・
JS.jpg

『髪切り』、読んでいない。
ファンとして既に失格。
サド侯爵、あるいは城と牢獄だなんて!
大満足。 つまりは、
城とか牢獄とか部屋とかで鞭片手に黒魔術をしているわけだ、
頭の中でいつも。



念のため、本名でもやってみた。

本名 の場合・・・
EN.jpg

・・・・・。
素の自分、圧巻です・・・

「サド侯爵」ではなく、
「サド」、かぁ・・・
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