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The Art Notes to the Swan of Tuonela トゥオネラの白鳥に捧ぐ鑑賞ノート
死の國トゥオネラには 黒い水が流れる川がめぐり その水辺を白鳥が 荘厳にゆっくりと進んでいる
DATE: 2007/08/03(金)   CATEGORY: 書物
少年たちの時間
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2005年に発売されたベルナール・フォコンの写真集を、フランスから取り寄せました。英語版、ましてや日本語版で出版される様子がないので、ユーロ高でしたが購入しました。1965年の初期から95年までの写真が網羅されています! 

→『Bernard Faucon』

大人たちから隔絶された、少年たちの時間。マネキンの中にひとり佇む生身の少年は、少年性をますます純化させ、時を奪われたように大人になることをやめてしまっています。そして、マネキンの時間、死の時間・・・思春期のあえかな瞬間が「死」にとても近いことを、無言で物語っているようです。

→カリノトウコさんのフォコンの記事
フォコンを発端に、当時のムードが聡明に描写されています。貴重な蔵書も!



ドイツ映画《青い棘》(2004)は、フォコンの写真の世界観によく似た映画でした。「シュテークリッツ校の悲劇」と呼ばれた、20年代ベルリンで実際に起きた事件をモチーフにしたこの映画は、フォコンの世界と同じく、思春期の繊細を扱っています。

思春期それは、様々な物事の境界線が不明瞭な時期・・・友情の中に、閃光のごとく「死」が去来する瞬間を、誰もが少なからず体験していると思います。

映画そのものは、もう少し、主人公の二人の少年の友情を丁寧に描くべき!と思いました。ヒルデという少女にたっぷり時間をかけすぎです。これではラストシーンが唐突に思えるし、一番の崇高な箇所がこころゆくまで堪能できません。

フォコンの一枚は、言葉なきゆえに、一枚で死を語ります。映画《青い棘》は、ある場面の映像やエピソードがフォコンの一枚のように完璧ゆえ、脚本の無駄と不足が目立ちました。

とはいえ、少年たちの美しさ、殊に、ギュンターの盲目的な少年性には圧倒されます・・・嗚呼、完璧な美しさって、罪だわ!


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DATE: 2007/03/27(火)   CATEGORY: 書物
さくら さくら
《刺繍刑》をご購入下さったご縁で
時折メールやお便りを交換させて頂いているふるふるさんから
素敵なお便りを頂戴いたしました!



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さくらの花びらのかたちに便箋が折ってあります



そしてそして

掌にすっぽりとおさまる
とてもかわゆらしいお手製本が同封されていました



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自室のアンティーク・キャビネットの上に飾ってみました
さくら色の表紙の アコーディオン型の手製本からは
日常の風景が小さく覗いています……
ペンハリガンのヴィオレッタやアール・デコの陶製人形も
いつもと違ってみえます




そこには 
ふるふるさんのやさしい目線で切り取られた風景が
静かな面持ちで並んでいます

知っているような知らないような……
懐かしいような真新しいような……

記憶の扉をそっとひらいてくれる
ちいさき写真の数々に
とてもしあわせな気持ちになりました



女学生のころ・・・仲良しの友人と
お手製のカードや栞を作っては交換しあっていました
押し花を貼ったり イラストを描いたり……
アンとダイアナの気分で過ごしていたころのことを
ふと思い出しました



ふるふるさん
本当にありがとうございました

これからもどうぞよろしくお願いいたします・・・


DATE: 2005/10/19(水)   CATEGORY: 書物
《オズボーン・コレクション》
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『窓の下で』ケイト・グリーナウェイ作・画

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『幼な子のイソップ』ウォルター・クレイン画



19世紀イギリスの貴重絵本を復刻した

《オズボーン・コレクション》を

古書で手に入れた

(1984年・ほるぷ出版刊・34冊中4冊は欠品)

洋書絵本好きにはたまらないひと揃い

復刻にあたっての丁寧なお仕事に感動・・・

ベルリン・コレクションとマザーグースの世界は

バラでこつこつ集めている

竹久夢二全集と近代文学館は リアルタイムで購入



復刻ではあるけれど 

当時の美意識を自室の書棚に陳列する歓喜は

はかりしれない わ・・・



隅々まで美意識が行き届いた書物は

ひとの手から手へと

静かに時間をつないでゆくものなのだ

ということを実感



埃をかむり端々の傷んだ洋書古書に

思いがけず 蔵書票が貼られていたり

贈り主のメッセージが添えられていたり……

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オスカー・ワイルド《A WOMAN OF NO IMPORTANCE》の古書
美しい薄くり色のクロス
1903年パリで出版・英語版・限定250部の78番

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GILBERT LEDWARDによる美しい蔵書票が貼られていた
票主:H.H.HARROD(ハロッズ創始者の息子)

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〈78〉の筆跡も美しく……





書物は 多くの言葉を含みながら 物言わぬ存在……









追憶の風景に 似ていると思いませんか





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