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The Art Notes to the Swan of Tuonela トゥオネラの白鳥に捧ぐ鑑賞ノート
死の國トゥオネラには 黒い水が流れる川がめぐり その水辺を白鳥が 荘厳にゆっくりと進んでいる
DATE: 2007/07/30(月)   CATEGORY: 文学
時計草の秘密
PassionF.jpg
The Blue Passion Flower
(R.J.ソーントン『フローラの神殿』より)



繊細で、やわらかく、やさしい花々・・・
しかし、その内には、青白い心臓の鼓動のような、
ひんやりとした秘密がこもっている・・・

そんなお花をお探しの方は、ぜひ、こちらを訪れてくださいませ。

→ふるふるさん作『時計草』

「受難の花」と呼ばれる時計草(ふるふるさんの御作で知りました)・・・
聖セバスティアンの殉教の古い絵画を思い出します。
胸の鮮血からは、ドビュッシーの交響的断章《聖セバスティアンの殉教》
「受難」の旋律が流れてくるようです。

両性具有的魅力を持ったロシア生まれの女性舞踊家、
イダに魅惑されたイタリアの詩人ダヌンツィオの神秘劇に作曲されたそれは、
完成が叶わず、アンドレ・キュプレの手による編作が残されたのみですが、
セバスティアンの幻想的な受難美を十分堪能できます。

「時計草」を拝読し、
久しぶりに《聖セバスティアンの殉教》のレコードに針を落としました。
ドビュッシーの旋律とふるふるさんの「時計草」が、
美しき一枚の布へと織られてゆく至福! 
ふるふるさん、素敵な御作をありがとうございました。

ふるふるさんが主宰する《ふるふる図書館》には、
みずみずしい花々がいっぱい。
やさしい筆致で、たましいの震えを紡いでゆきます。

それらの花々は、そよ風に花びらをゆらしていたかと思うと、
ふいに濃厚な香りを漂わせます。
木綿の質感の奥から、天鵞絨の本性を覗かせます。
決してやさしいだけではない、胸を刺す痛みも知っています。

日々の喧噪の中・・・
ふと立ち止まって、木陰の涼しさを思い出させてくれます。





わたくしの時計草は→こちら
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DATE: 2005/07/19(火)   CATEGORY: 文学
《十二夜》前奏曲

道化:

   くるがいい、くるがいい、死よ、
   この身を杉の柩に横たえよ。
   去るがいい、去るがいい、息よ、
   美しいむごい娘に殺されて。
   櫟の枝、経帷子の胸にさし、
   着せておくれ、
   二人とないまことの愛に死ぬものを
   飾るために。

   花一つ、花一つさえ、
   この身をおさめた柩にそなえるな。
   友一人、友一人でさえ、
   悲しみの野辺の送りに従うな。
   人知れぬ山奥の地に、この身を
   埋めておくれ、
   墓を見てまことに愛に泣くものを
   避けるために。

     ……ウィリアム・シェイクスピア『十二夜』より/小田島雄志訳(白水社Uブックス)



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   いざ来たれ 来たれ死期よ
   悲しみのリンネルに
   この身を横たえよう
   いささらば さらば息よ
   冷血の美少女に
   命を切り取られん
   櫟の枝 経帷子の胸にさし
   着せておくれ 二人とない
   忠実な愛に死ぬものを
   飾る為に

   花一つ 一つでさえ
   供えては下さるな
   柩の黒い蓋に
   友一人 一人でさえ
   祈っては下さるな
   哀れなこの骸に
   誰も知らぬ遠い何処の山野辺に
   埋めておくれ とめどもない
   ため息で愛に泣くものを
   避けるために

   ……ゲルニカ《来たれ 死よ》/作詞:小田島雄志・細野晴臣/作曲:上野耕路/歌:戸川純
     (『電離層からの眼差し』より)



DATE: 2005/07/01(金)   CATEGORY: 文学
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ウィリアム・ドグーヴ・ド・ヌンク《爛れた森》



死んだのは
白鳥だつたのか

小さな沼ごとの
一羽ずつの死

ほんとうに
白鳥だつたのか

それが昇天というなら
むしろ

いくつもの
喪の夜がすぎ

ほんとうに
白鳥だろうか

死んだのは
……だと、むしろ


                 ……中井英夫《沼》より






DATE: 2005/06/01(水)   CATEGORY: 文学
The Sonnets
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花を蒸溜しておけば、

たとえ冬にめぐりあっても

失うのは見かけだけ、

実体はとわに芳しく生きるのです

                       …… Shakespeare




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